訪問看護における旅行支援とは?のびしろ流で解説します!

皆さん旅行は好きですか?
筆者は好きです。
訪問看護の現場で支援させていただいていると、病気や障害で「本当は行きたいところあるけれど、もう無理だよね」と言ったお言葉をいただきます。
果たして、病気や障害を抱えてしまったら行きたいところに行けなくなるのでしょうか?
現在少しづつ活動が増えてきているユニバーサルツーリズム(年齢や障害の有無に関わらず、全ての人が安心して旅行を楽しめるようにする取り組み)。
群馬県太田市と大泉町にある訪問看護ステーションのびしろは今後旅行支援に力を入れていきます。
ユニバーサルツーリズムの一環である、訪問看護における旅行支援について解説していきますね!
旅行とは


そもそも旅行の定義ってなんですか?
旅行とは・・・出かけた先における活動内容に関わらず、 日常生活圏を離れたところに出かけることをいう。目安として片道の移動距離が 80 km以上または宿泊を伴うか所要時間(移動時間と滞在時間の合計) が8時間以上のものをいう。ただし、交通機関の乗務、通勤や 通学、転居のための片道移動、出稼ぎ、1年を超える滞在を除く。



普段身近にある言葉でも、定義を知ると面白いですねよ!
プライベートで行く旅行とは違い、旅行支援を考える上で重要なのが法律になります。
旅行業法
旅行業法は、旅行業等を営む者について登録制度を実施し、あわせて旅行業等を営む者の業務の適正な運営を確保するとともに、旅行業協会の適正な活動を促進することにより、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを目的としています。


旅行業法の中で訪問看護事業者が特に注意しなくてはならない部分は以下です。
旅行業及び旅行業者代理業について
旅行業法においては、報酬を得て一定の行為(注1)を行う事業を営もうとする者は、観光庁長官又は都道府県知事による旅行業又は旅行業者代理業(以下「旅行業者等」といいます。)の登録を受けなければならないとされています(旅行業法第2条及び第3条)。
注1:旅行業法第2条第1項第1号から第9号に掲げる行為
旅行業者等は、業務の範囲により、第1種旅行業者、第2種旅行業者、第3種旅行業者、地域限定旅行業者、旅行業者代理業者に区分されます。また、登録を行う行政庁も異なります。



こ、細かいですね・・・



それぞれの区分で、取り扱える旅行の範囲が決まってきます。





ここでポイントなのは旅行の各種手配をするには登録が必要ということになります。
旅行サービス手配業について
旅行業法においては、報酬を得て、旅行業を営む者のため、一定の行為(注2)を行う事業を営もうとする者は、都道府県知事による旅行サービス手配業の登録を受けなければならないとされています(旅行業法第2条及び第23条)。
注2:以下の事項が該当します。
・運送(鉄道、バス等)又は宿泊(ホテル、旅館等)の手配
・全国通訳案内士又は地域通訳案内士以外の者による有償による通訳案内の手配
・輸出物品販売所(消費税免税店)における物品販売の手配





なるほど〜。つまり訪問看護事業所側で、利用者様の希望を聞いて、あれこれ手配するのは登録がないと法律違反。
一方利用者様がご自分で手配して、そこに専門職が付き添うのは問題はないということですか?



旅行業法としては特に問題ありません。しかし、道中何かあった場合の保険等は考えておいた方が良いですね!
あとはどれだけ報酬を得るのか、ボランティアで行うのか等でも変わってきます。



そう考えると、登録のある旅行業者さんと業務提携をしていくのが安心ですね!
旅行支援の分類と費用


訪問看護事業所が関わる旅行支援には主に以下に分けられます。
- プライベート旅行(1人〜2人あたり)
- グループ旅行(3人〜5人あたり)
- 団体旅行(それ以上)
訪問看護ではプライベート旅行が多く、デイサービスなのではグループ旅行や団体旅行が多い印象です。
費用については時間や距離、人数などで大きく変わりますが概ねの費用感は以下です。
1日がかりの日帰り旅行として
内訳として、交通費、飲食代、観光料金、人件費、保険代、代理店へのインセンティブ等含む
訪問看護における旅行支援の可能性


訪問看護事業所では中々団体旅行は難しく、プライベート旅行を自費で付き添う形が多いのではないでしょうか?
筆者の事業所のように訪看リハビリを主にご利用いただき、要支援の認定を受けていらっしゃる方でしたら団体旅行も可能かもしれません。
しかし、旅行先は病気や障害を持った方へのバリアが多数存在します。その為実際に下見に行ったり、事前準備をしっかりすることがとても大切となります。
すでに旅行支援を積極的に行ないノウハウを持った事業所への見学、登録のある旅行業者との連携をすることで安心して旅行支援を実現できるのではないかと考えます。
少しでもご興味のある方は一緒に実現していきましょう!
お声がけお待ちしています!!
まとめ


今回は訪問看護における旅行支援とは?のびしろ流に解説しました。
まとめは以下です。
- ユニバーサルツーリズムの考え方はとても素敵である
- 旅行支援の円滑に実現していくには医療介護福祉専門職の力が必要である
- 旅行支援には多くの法律が関わってくるので法令遵守が大事である
- 旅行支援には事前準備がとても重要
- 登録のある旅行業者と連携するという手段がある
いかがでしたでしょうか?
以前参加したユニバーサルツーリズム研修の様子を動画にしたので載せておきます(掲載許可いただいております)
動画はこちら


自分や身近な人が病気や障害を抱えた時に、旅行を諦めない、旅行という選択肢が当たり前にある社会が良いなと個人的には考えています!
お知らせ
群馬県の太田市と大泉町にある訪問看護ステーションのびしろ
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