訪問看護におけるサテライト開設のメリット5選(群馬県太田市)
全国訪問看護事業者協会の令和2024年度調査より、4月時点で全国に17329箇所の訪問看護ステーションがあります。
2023年に比べ約1600箇所増加している一方、休止・閉鎖しているステーションが約900ヶ所あります。
純粋な新規開設は約2500ヶ所となります。
それだけ急激に増加している訪問看護ステーション。
多店舗展開を考えている既存の訪問看護ステーションも多いのではないでしょうか?
多店舗展開の際に、選択肢の一つとなる訪問看護ステーションのサテライト開設。
メリットを詳しく解説していきますね!
訪問看護におけるサテライトとは?
そもそもサテライトって何ですか?
指定訪問看護事業者の指定は、原則として事業所ごとに行うものとしていますが、待機や道具の保管、着替え等を行う出張所の設置を認めています。以下に厚生労働省の通達を載せておきますね!
出張所(いわゆる「サテライト」)設置の要件について
1 利用申込みに係る調整、指定訪問看護の提供状況の把握、職員に対する技術指導等が一体的に行われること。
2 職員の勤務体制、勤務内容等が一元的に管理されていること。必要な場合に随時、主たる事業所や他の出張所との間で相互支援が行われる体制(例えば、主たる事業所から急遽代替要員を派遣できるような体制)にあること。
3 苦情処理や損害賠償等に際して、一体的な対応ができる体制にあること。
4 事業の目的や運営方針、営業日や営業時間、利用料等を定める同一の運営規程が定められること。
5 人事、給与、福利厚生等の勤務条件等による職員管理が一元的に行われること。
引用:厚生労働省老健局老人保健課業務連絡平成28年3月25日
訪問看護事業所の出張所(サテライト)を設置する訪問看護ステーションは徐々に増えており、令和3年は、サテライトのある訪問看護ステーションの割合は、約8%です。
引用:社会保障審議会 介護給付費分科会(第220回)資料3令和5年7月24日
サテライト開設のメリット5選
令和7年4月に群馬県大泉町でサテライト開設予定の訪問看護ステーションのびしろ太田。
サテライト開設に至った、筆者が考えるメリットを紹介していきますね!
多くのエリアを円滑に訪問できる
訪問看護ステーションのびしろ太田では現在約100名の利用者さんを訪問させていただいています。
訪問エリアも広く、県外、近隣市町村と多岐に渡ります。
課題として移動時間の延長や、スケジュール調整時に利用者さんのご希望に沿え辛くなっている現状があります。
そういった課題の解決策が以下です。
サテライトを開設し、拠点を分けるで多くのエリアを円滑に訪問できることにつながると考えます。また、緊急時の対応も拠点が分かれていることでより迅速に対応できます。
感染症のBCPとしても有用
令和3年度の介護報酬及び令和4年度の診療報酬の改定において、BCP(事業継続計画)の作成とともに、委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)、職員への周知、定期的な見直しの実施等が義務づけられました
令和6年4月より義務化となっています。
特に感染症に関しては、事業所内で蔓延した際に、通常の訪問支援に支障をきたす可能性があります。
そんな時にサテライトがあれば・・・
まさしく、感染症のBCP(事業継続計画)として有用ですね!
以下参考に令和6年度の改定のポイントです!
感染症若しくは自然災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合、基本報酬を減算する。
その際、一定の経過措置を設ける観点から、令和8年度末までの間に限り、感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には減算を適用しないこととする。また、訪問系サービス及び居宅介護支援事業所については、令和3年度報酬改定において感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備が義務付けられて間もないこと及び非常災害対策計画の策定が求められていないことを踏まえ、令和8年度末までの期間については、減算の対象としないこととする。さらに、居宅療養管理指導については、事業所のほとんどがみなし指定であることや、業務継続計画の策定状況に関する実態把握が不足していること等を踏まえ、令和5年度末までとされている義務化に係る経過措置期間を令和8年度末まで延長し、業務継続計画策定の実態把握や周知徹底などの取組を行うとともに、業務継続計画に関する取組の推進に向けて関係部局と連携を図ることとする。
業務継続計画の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施等を継続的に把握し、支援に繋げるため、毎年調査を行い、都道府県等にも策定状況等を共有することとする。
引用、参考:社会保障審議会介護給付費分科会第232回資料
法人内で色々なカラーのステーションができる
訪問看護ステーションには様々な経験を経てきた専門職が在籍します。
一つのステーションに様々な経験を積んだスタッフが在籍するのも良いですが、近年ステーションの増加により専門性に特化したステーションのニーズも高まってきています。
法人内でサテライトを展開することで連携の取れた、様々なカラーのステーションが点在できます。
訪問看護を選ぶ人からすると、専門性がわかりやすいステーションは選びやすいのではないでしょうか。
ケアマネージャー側からすると何が得意なステーションかを知れる事は利用者さんに紹介しやすくなりますね。
本店、サテライトで相互フォローできる
サテライトの設置要件に以下があります。
複数店舗展開していく中で、各店舗をその都度指定を受けていくと別の事業所番号が付与されます。
その場合は全く違う訪問看護ステーションとなるので、店舗間の相互フォローを考えると常勤換算の計算方法、加算の届出等手続きや管理が煩雑となってしまいます。
その点サテライトは同じ事業所番号であり、円滑に本店とサテライトでフォローができるメリットがあります。
以下サテライト開設時の注意点です。
指定権者(自治体の指定申請を管轄する部門)によってはサテライト開設を認めていないエリアがあったり、開設可能でも条件が多かったり(半径◯m以内等)とあるので、事前に入念な開設相談をしてください。
法人内で交流会ができる
これは代表の夢の一つです(笑)
会社を立ち上げてから、おかげさまで働いてくれる従業員も増えてきました。
そんな中で法人内で色々な部門ができることで、普段の仕事上の連携を超えた交流会を開催することができます。
会社の理念を共有した従業員が、雑談含め交流できる場を想像するとワクワクしてきます。
まとめ
訪問看護ステーションにおけるサテライト開設のメリット5選について解説しました。
以下まとめです。
- 広いエリアを効率的に訪問でき、多くの方に支援と安心を届けることができる。
- 新型コロナウイルス等未知の感染症が発生した場合のBCP(事業継続計画)としても有用である。
- 法人内で専門性を分けたステーションができることで、地域での棲み分けや、依頼する側からサービス内容がよりわかりやすくなる。
- 急な欠員や災害時でも、サテライトであれば臨機応変にかつ円滑に相互フォローができる。
- 法人内交流会は代表の夢。
代表はまず資金繰り頑張ります・・・。
お知らせ
訪問看護ステーションのびしろ太田では現在採用を強化しています!
- 本店(のびしろ太田)で看護師・リハビリ職員
- 大泉出張所(サテライト)でオープニングスタッフ。
- ケアプランセンターのびしろ(開設予定)で主任介護支援専門員。
オンライン事業所説明会もご興味いただいた方の日程に調整して開催しますのでまずかご連絡お待ちしています!!
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