訪問看護医療情報連携加算とは!?のびしろ流で解説します。

令和6年度(2024年度)の診療報酬・介護報酬改定で新設された「訪問看護医療情報連携加算」。
ICTを活用した多職種連携を評価する加算ですが、「施設基準が複雑でよくわからない」「LINEは使っていいの?」と悩んでいる管理者様も多いのではないでしょうか。
群馬県太田市と大泉町にある訪問看護ステーションのびしろも算定する方向で動いています。
この記事では、訪問看護ステーションの管理者・事務担当者様向けに、訪問看護医療情報連携加算の算定要件、施設基準、そして最も注意すべき「プライベートSNSの選び方」についてわかりやすく解説します。
本記事は令和8年3月10日厚生労働省保険医局医療課令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】資料より引用しています。
訪問看護医療情報連携加算とは?

訪問看護医療情報連携加算は、ICT(情報通信技術)を用いて、関係する医療機関や介護事業所等と多職種連携を行い、利用者様の情報を共有・活用する体制を評価する加算です。
| 単位数(金額) | 1000円(月1回) |
| 対象保険 | 医療保険 |
| 目的 | 多職種間での迅速かつ正確な情報共有による、ケアの質向上と業務効率化 |
対象利用者:訪問看護管理療養費を算定している利用者
算定するための「施設基準」と「算定要件」

この加算を算定するためには、まず地方厚生局へ「施設基準」の届出を行い、「算定要件」を満たす必要があります。
1. 施設基準(事前の準備・届出が必要)
- 5つ以上の関係機関との連携体制
特別の関係にある機関(同一法人など)を除き、主治医、ケアマネジャー、薬局、訪問介護など、独立した5つ以上の機関とICTを用いた連携体制を構築していること。 - 厚生労働省ガイドラインに準拠したシステムの利用
「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」およびHISPRO(保健医療福祉情報安全管理適合性評価協会)の要件を満たす「非公開型(プライベート)SNS」を使用すること。 - 運用規程の整備と職員教育(こちらは算定要件ではなくHISPROに定められている推奨事項となります)
ICT利用に関する運用規程を定め、全職員に対して安全管理に関する研修を実施していること。 - 利用者への説明と同意・掲示
情報共有の目的や安全管理について利用者へ説明し、同意を得る手順を整備していること。また、ステーション内への掲示およびウェブサイトへの掲載(※ウェブサイトは令和8年9月末まで猶予あり)を行っていること。 - 情報の常時確認体制:ICTを用いて、利用者の診療情報等を常時確認できる体制を有し、関係機関と平時からの連携体制を構築していること。
ICTの技術的要件
診療情報が一元的に管理されたサーバーで保管されていること。
情報共有の範囲を随時設定可能であり、同意した者のみが閲覧できること。
情報が利用者ごとに時系列で速やかに表示されること

訪問看護ステーションのびしろ太田/大泉支店では運用規程の作成、職員勉強会を実施していきます。
2. 算定要件
- 医療関係職種等により記録された利用者の医療・ケアに関わる情報を取得及び活用した上で、指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行うこと及び看護師等が指定訪問看護を行った際の診療情報等について記録し、医療関係職種等に共有することついて、利用者からの同意を得ていること。
- 以下の情報について記録すること。
○ 次回の訪問看護の予定日及び当該利用者の訪問看護計画の変更の有無(必要に応じて)
○ 当該利用者の訪問看護計画の変更の概要(変更の有無を記録する場合)
○ 利用者のケアを行う際の留意点(共有することが必要と判断した場合)
○ 利用者の人生の最終段階における医療・ケア及び病状の急変時の治療方針についての希望(利用者又はその家族等から取得した場合) - 訪問看護を行う場合に、過去90日以内に記録された利用者の医療・ケアに関する情報(特別の関係にある保険医療機関等が記録した情報を除く。)をICTを用いて取得した情報が1つ以上であること。
在宅患者連携指導加算を算定している場合は、本加算を算定できません。
要注意!「LINE」は使えません(プライベートSNSの選び方)


施設基準の中で最もハードルとなるのが「システムの選定」です。ここで間違えると、要件を満たさず返還指導の対象となる恐れがあります。
推奨されるシステム(例)
医療・介護専用に開発され、ガイドライン準拠を明記しているシステムを選ぶのが最も確実です。
- MCS(MedicalCare STATION):完全非公開型の医療介護専用SNS。多くの地域で医師会等も推奨しており、導入実績が豊富です。
- LINE WORKS(医療・介護向け設定):ビジネスチャットですが、適切なセキュリティ設定と運用ルールを設けることで要件を満たすことが可能です。
- カナミックネットワーク等の業務システム内蔵チャット:電子カルテやレセコンに付随する多職種連携機能。
厚生労働省の告示・通知・届出書様式(別紙様式9)に記載されているのは、ツール名ではなく「機能要件」のみです。特定のサービス名(MCS・LINEワークス・チャットワーク等)は、告示・通知・疑義解釈のいずれにも一切記載されていません。(令和8年5月6日時点)。使用するツールが施設基準を満たすかどうかは、届出書様式9の4つの機能要件チェックボックスに○をつけられるかで判断します。MCS・LINEワークス・チャットワーク等を使用する場合は、各サービスの仕様がこれら4要件を満たすことを、事業者自身が確認・判断する必要があります。
届出の手順と期限


要件を満たす体制が整ったら、管轄の地方厚生局へ届出を行います。
- 提出書類:別紙様式9「訪問看護医療情報連携加算の施設基準に係る届出書添付書類」
- 提出期限:算定を開始する月の前月末日(※地域や時期により特例がある場合があるため、必ず管轄の厚生局HPをご確認ください)
まとめ:ICT化は業務効率化のチャンス!
訪問看護医療情報連携加算は、要件のハードルが高く感じられるかもしれませんが、一度体制を整えてしまえば、電話やFAXによる連絡の手間が大幅に削減されます。
「言った・言わない」のトラブル防止や、多職種間でのスムーズな連携は、結果として利用者様へのケアの質向上に直結します。
ぜひこの機会に、ステーションのICT化と加算算定を進めてみてはいかがでしょうか。
お知らせ
訪問看護ステーションのびしろ太田ではこちらのウェブサイト上に「ICT を⽤いた多職種連携体制についてのお知らせ」を掲示しています。
ぜひ一度ご覧になってみてください!








