訪問看護における2026年(令和8年)診療報酬改定とは!?

群馬県太田市と大泉町で運営している訪問看護ステーションのびしろ太田と大泉支店。
職員からこんな声がありました。

今年は診療報酬改定があって色々変わると聞いたのですが、情報が多くてよく分かっていません。



毎回改定の際は、変わることが多いから分かりづらいですよね。
訪問看護の制度知識には地域一番の自負がある私が解説していきましょう!
それでは、2026年(令和8年)度の訪問看護における診療報酬改定について、現時点で分かっている内容を解説していきます!それでは参りましょう!
訪問看護における2026年の診療報酬改定のポイント
訪問看護における2026年の診療報酬改定の3つの柱は以下です。
以降の記事内容は令和8年2月13日中医協による個別改定項目より引用しております
物価高騰・賃上げへの対応
- 物価高騰への対策
- 職員の処遇改善と確実な地投げの実施
ICTの活用の推進
- 情報連携による効果的なケアの実現
- 遠隔診療の補助体制の整備
高齢者向け住まい等でのケアの評価
- 24時間体制での訪問看護の評価
- 重症者への包括的なケアの推進
訪問看護療養費の引き上げ
訪問看護管理療養費の引き上げは現行の機能強化型1〜3の報酬が増額となっています。


訪問看護管理療養費4の新設


訪問看護間療養費4の主な内容は以下の通りです。
1. 報酬額
• 月の初日の訪問の場合:9,030円(新設)
2. 算定の目的と対象
• 精神科訪問看護の質の向上を推進し、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に資することを目的としています。
• 難病等の重症度の高い利用者や、精神障害を有する者のうち重点的な支援を要する利用者を積極的に受け入れる体制が評価されます。
3. 主な施設基準(届出に必要な要件)
この算定には、地方厚生局長等への届出が必要であり、以下の要件をすべて満たす必要があります。
• 人員体制
- 常勤の保健師、助産師、看護師又は准看護師の数が4名以上であること。
- 看護師等のうち、6割以上が看護職員(保健師、助産師、看護師)であること。
• 対応体制
- 24時間対応体制加算の届出を行っていること。
• 実績(相当な実績が必要)
- 厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7、第8)の利用者、または重点的な支援を要する精神障害者への訪問看護実績。
- 退院時の共同指導や、主治医の指示に係る保険医療機関との連携実績。
- 地域の保険医療機関、訪問看護ステーション、住民等に対する研修や相談への対応、および関係機関との連携実績。
この新設により、精神科訪問看護において地域の中核的な役割を担うステーションへの評価が手厚くなっています。
物価高騰への対応


訪問看護物価対応料の詳細は以下です。
1. 報酬体系(金額)
算定する基本報酬の区分に応じて、「訪問看護物価対応料1」と「訪問看護物価対応料2」の2種類があります。
• 訪問看護物価対応料1 (「訪問看護管理療養費」を算定している利用者が対象)
◦ 月の初日の訪問の場合:60円
◦ 月の2日目以降の訪問の場合:20円(1日につき)
• 訪問看護物価対応料2 (「包括型訪問看護療養費」を算定している利用者が対象)
◦ 1日につき:20円
2. 令和9年6月以降の引き上げ
物価上昇に段階的に対応するため、令和9年(2027年)6月以降は、上記の所定額の100分の200(2倍)に相当する額を算定することとされています。
(例:月の初日 60円 → 120円、2日目以降 20円 → 40円)
3. 算定の仕組み
- 訪問看護物価対応料1: 訪問看護ステーションが、「区分番号02(訪問看護管理療養費)」を算定している利用者1人につき、区分に従って算定します。
- 訪問看護物価対応料2: 訪問看護ステーションが、「区分番号04(包括型訪問看護療養費)」を算定している利用者1人につき算定します。
処遇改善への対応


今回の改定におけるベースアップ評価料は、医療従事者の確実な賃上げ(ベースアップ)と人材確保を目的としており、訪問看護、訪問診療、入院、外来、調剤などの各区分で評価が見直されています。
訪問看護における主なポイントは以下の通りです。
基本的な仕組み
(評価料ⅠとⅡ)ベースアップ評価料は、大きく分けて「評価料(Ⅰ)」と「評価料(Ⅱ)」の2階建て構造になっています。
- ベースアップ評価料(Ⅰ): 対象となる施設が一律に算定できる基本の評価です。
- ベースアップ評価料(Ⅱ): (Ⅰ)の算定だけでは適切な賃金改善に必要な額に届かない場合に、その不足分を補うために算定できる追加の評価です。
訪問看護における評価の見直し
訪問看護ステーションで働く幅広い職種の賃上げを推進するため、令和8年度および9年度に段階的な引き上げが行われます。
- 訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ): 令和8年度から1,050円(現行780円)に引き上げられます。さらに令和9年6月以降は、所定額の100分の200(2倍)に相当する額を算定することとされています。
- 訪問看護ベースアップ評価料(Ⅱ): 賃上げの状況に応じて、令和8年度は36段階(30円〜1,080円)の区分が設定されています。令和9年6月以降は、最大で1,580円(区分36)まで引き上げられます。
包括方訪問看護療養費の新設


包括型訪問看護療養費は、高齢者向け住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションが、効率的かつ頻回に訪問看護を提供することを正当に評価するために新設された、1日単位の包括報酬体系です。
主な内容は以下の通りです。
対象となる利用者
届出を行った建物に居住する利用者のうち、以下のいずれかに該当する者が対象です。
- 別表第7に掲げる疾病等の者(難病、がん末期など)
- 別表第8に掲げる状態の者(人工呼吸器使用、真皮を超える褥瘡など)
- 特別訪問看護指示書に係る指定訪問看護を受けている者
報酬額(1日につき)
建物の規模(単一建物居住者の人数)と、1日の合計訪問時間に応じて設定されています。


※( )内は、緊急時に即時対応できる体制があり、かつ利用者全員の1日平均訪問時間が120分以上である等の特別な場合に算定されます。
主な算定要件
算定にあたっては、以下の厳しい基準を満たす必要があります。
- 24時間体制: 計画的または随時の対応が可能な24時間体制を整えていること。
- 日中・夜間の訪問: 日中および夜間帯(午後6時〜午前8時)に、少なくともそれぞれ1回ずつの訪問を行う必要があります。
- 訪問回数と時間: 1日の実施時間が60分以上の場合は、1日当たり3回以上の訪問を行う必要があります。
- 専門職の関与: 1日に1回以上は看護職員(准看護師を除く)による訪問が含まれること、および管理者等が毎日計画書を確認し必要に応じて見直すことが求められます。
- 電子記録: 訪問看護計画書および記録書は電子的方法で記録・保存する必要があります。
他の報酬との関係
この包括報酬を算定する場合、以下の項目は同一日に別途算定することはできません。
- 訪問看護基本療養費(一部を除く)、訪問看護管理療養費、24時間対応体制加算
- 難病等複数回訪問加算、複数名訪問看護加算、夜間・早朝・深夜訪問看護加算など
- ただし、緊急訪問看護加算などは、別に定める場合を除き別途算定可能です。
施設基準(届出要件)
- 高齢者向け住まい等に併設または隣接する訪問看護ステーションであること。
- 夜間帯も常時1名以上の看護職員を配置(利用者数に応じて増員が必要)し、建物内で計画的または随時の対応ができる体制を敷いていること。
- 地域の医療機関や他のステーションとの合同研修や事例検討会などの連携実績があること。
訪問看護医療情報連携加算の新設


訪問看護医療情報連携加算は、ICTを活用して他職種と診療情報を共有し、計画的な訪問看護の管理を行った場合に算定できる新たな評価項目です。
主な内容は以下の通りです。
報酬額と対象者
- 報酬額: 1,000円(月1回に限り算定)
- 対象: 訪問看護管理療養費を算定している利用者で、通院が困難なものに限られます。
算定の要件
この加算を算定するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 多職種との連携: 連携する医療機関の医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、介護支援専門員(ケアマネジャー)などが、ICT(電子情報処理組織等)を用いて記録した診療情報等を活用すること。
- 計画的な管理: 取得した情報を活用した上で、指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行うこと。
- 実施者: 訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)が実施する必要があります。
- 同意: 利用者の同意を得ておく必要があります。
施設基準(届出に必要な体制)
算定にあたっては、地方厚生局長等への届出が必要であり、以下の体制を整えていることが求められます。
- 情報の常時確認体制: 電子情報処理組織等を用いて、利用者の診療情報等を常時確認できる体制を有し、関係機関と平時からの連携体制を構築していること。
- 掲示: 連携体制を構築しているステーションであることを、事業所内の見やすい場所および、原則としてウェブサイトに掲載していること。
※ウェブサイトへの掲載については、令和8年9月30日までの経過措置が設けられています。
訪問看護遠隔診療補助料の新設


訪問看護遠隔診療補助料は、医師によるオンライン診療(情報通信機器を用いた診療)が行われる際、看護師が利用者の自宅を訪問して診療の補助を行う「D to P with N(Doctor to Patient with Nurse)」の形態を評価するために新設された報酬です。
主な内容は以下の通りです。
報酬額
- 2,650円(1日につき、月1回に限り算定)
算定の要件
この報酬は、以下の条件をすべて満たす場合に算定可能です。
- 医師の判断と指示: 主治医が情報通信機器を用いた診療を行う際、看護師等が利用者と同席の上で診療を補助する必要があると判断し、その指示を受けて訪問した場合に算定します。
- 緊急かつ計画外の訪問: 訪問看護計画に基づき定期的に行う指定訪問看護以外の場面で、緊急に診療を要すると判断された場合が対象です。
- 利用者の同意: 診療の補助を行うことについて、あらかじめ利用者の同意を得る必要があります。
- 対象者: 主治医から交付された有効な訪問看護指示書の期間内にある利用者に限られます。
- 交通費: 遠隔診療補助に要した交通費は、実費として利用者の負担となります。
施設基準(届出要件)
- 情報通信機器を用いた診療を行うにつき十分な体制が整備されている保険医療機関と連携しながら、診療の補助を行う体制が整っている訪問看護ステーションであることについて届出が必要です。
算定上の注意点
- 併算定の不可: この補助料を算定する日は、以下の報酬を別途算定することはできません。
◦ 訪問看護基本療養費、精神科訪問看護基本療養費
◦ 訪問看護管理療養費、訪問看護情報提供療養費
◦ 訪問看護ターミナルケア療養費、訪問看護ベースアップ評価料 - 1人1か所制限: 1人の利用者に対し、1つの訪問看護ステーションにおいてのみ算定できます。
- 医療機関側との重複制限: 保険医療機関側で同じ名称の「訪問看護遠隔診療補助料」を算定した場合は、訪問看護ステーション側では算定できません。
- 記録の義務: 診療の補助を実施した日時、内容、対応状況を訪問看護記録書に記載する必要があります(医師側も診療録に指示内容を記載します)。
費用精算について
訪問看護ステーションの看護師が訪問して診療補助を行った場合の報酬については、保険医療機関と訪問看護ステーションの間で合議の上、費用の精算を行うものとされています。
適正な実施と運営基準の見直し①


ポイントは以下です。
「指定訪問看護の運営基準」の見直しによって対応が強化されています。
- 把握の義務化: 指定訪問看護の提供にあたり、利用者の心身の状況だけでなく、「服薬状況(残薬の状況を含む。)」の把握に努めなければならないと明記されました。
- 記録と保存: 把握した服薬状況等は「訪問看護記録書」に記入し、2年間保存することが義務付けられています。
- 多職種連携: 主治医への情報提供に際し、服薬状況(残薬を含む)についても提供を行うことが求められています。また、必要に応じて薬剤師(保険薬局)へ情報提供を行うことが「望ましい」とされています。
適正な実施と運営基準の見直し②


主な改定内容は以下です。
諸記録の整備と保存(2年間の保存義務)
記録の管理がより厳格化されました。
- 保存期間と対象: 以下の記録を整備し、その完結の日から2年間保存しなければなりません。
- 訪問看護記録書
- 訪問看護指示書
- 訪問看護計画書
- 訪問看護報告書
- 市町村等に対する情報提供書
- 市町村等との連絡調整に関する記録
- 内容の正確性: これらの記録は、正確かつ最新の内容を保つよう整備することが求められています。
不適切な誘引・誘導の禁止
利用者や他の事業者との関係において、利益提供による不適切な行為が厳格に禁止されました。
- 経済上の利益による誘引の禁止: 利用者に対し、物品の値引きや金品の提供などの経済上の利益を提供して、自らのステーションを利用するように誘引することが禁止されました。
- 紹介料のやり取りの禁止: 利用者を紹介した対価として、他の事業者やその従業員に金品を提供することも禁止されています。
- 特定の医師・事業者への誘導に伴う利益収受の禁止: 利用者に対して特定の医師や特定の介護サービス事業所(特定施設、グループホーム、居宅介護支援事業者など)を利用するよう指示等
特殊な条件下での評価見直し①同一建物居住者への評価


主な改定内容は以下の通りです。
訪問看護基本療養費(Ⅱ)等の細分化
同一建物居住者に対して算定する「訪問看護基本療養費(Ⅱ)」や「精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ)」について、建物内の訪問看護利用者数や1月当たりの訪問日数に応じた評価に見直されました。
- 利用者数による区分: 「同一日に2人」「3人以上9人以下」「10人以上19人以下」「20人以上49人以下」「50人以上」と、人数枠が細かく設定されました。
- 訪問頻度による区分: 利用者が10人以上の建物については、「1月当たり20日目まで」と「21日目以降」で評価が分かれます。
- 適切な時間の確保: 適切な時間の訪問看護を実施する観点から、「30分以上」を標準とし、20分を下回る場合は基本療養費や加算を算定できなくなりました。
- 短時間訪問の合算: 前回の訪問終了から2時間未満の間隔で20分以上30分未満の訪問を行う場合は、原則として所要時間を合算して1回として計算します。
訪問看護管理療養費の見直し
月の2日目以降の訪問看護管理療養費について、施設基準の届出が不要となるとともに、単一建物の利用者数と訪問日数によって評価が細分化されました。
- 評価区分: 単一建物居住者の人数(20人未満/20人〜49人/50人以上)および、1月当たりの訪問日数(15日以下/16日〜24日/25日以上)の組み合わせによって、1日あたりの点数が設定されています。
各種加算の評価見直し
難病等複数回訪問加算、複数名訪問看護加算、夜間・早朝・深夜訪問看護加算などについても、同一建物内で「同一日に当該加算を算定している人数」や「1月当たりの算定日数」に応じた評価体系に整理されました。
例えば、難病等複数回訪問加算では、同一建物内の算定人数が3人以上、10人以上、20人以上、50人以上と増えるに従い、段階的に評価が調整されます。
「同一建物」の定義の明確化
今回の改定により、算定要件における同一建物には、「同一敷地内の建物」も含まれることが明記されました。
特殊な条件下での評価見直し②過疎地域等への配慮


この改定は、過疎地域等においても利用者が住み慣れた地域で療養生活を継続できるよう、看護師等の遠方への移動負担を考慮したものです。
主な変更点は以下の通りです。
評価対象の拡大(移動時間+訪問時間)
これまでの「特別地域訪問看護加算」は、ステーションから利用者の家庭までの移動時間のみを評価の対象としていましたが、今回の改定により、「移動時間」と「訪問看護の提供時間」の合計が極めて長い場合も評価の対象に含まれるようになりました。
具体的な算定要件の新設
別に厚生労働大臣が定める地域(過疎地域等)に所在する訪問看護ステーションの看護師等が、同じ地域に居住する利用者に対して訪問看護を行う場合、以下のいずれにも該当する際に「特別地域訪問看護加算(所定額の100分の50加算)」が算定可能となります。
- 移動時間: 合理的な経路および方法による移動時間が 30分以上 であること。
- 合計時間: 所在地から利用者の家庭までの往復時間と、指定訪問看護の実施に要した時間の合計が 2時間30分以上 であること。
既存要件の整理
移動時間が1時間以上かかる利用者に対する以下のケースについても、引き続き評価の対象(100分の50加算)となります。
- 指定地域内のステーションが地域内の利用者に訪問する場合(移動1時間以上)。
- 指定地域外のステーションが、地域内の利用者に訪問する場合(移動1時間以上)。
特殊な条件下での評価見直し③難治性皮膚疾患への対応


具体的な内容は以下の通りです。
- 週4回以上の訪問看護が可能に: 「在宅難治性皮膚疾患処置指導管理」を受けている利用者が、訪問看護基本療養費等を週4日以上算定できる対象に追加されました。
- 施設基準(別表第八)への追加: 訪問看護において「特別な管理を要する状態等」を規定する「別表第八」に、新たに「在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている状態にある者」が加えられました。
まとめ
今回は訪問看護における2026年(令和8年)診療報酬改定とは?について解説しました。
まとめは以下です。
- 訪問看護の質と持続可能性を高めるための改訂ある
- 物価高騰と賃上げへの対応が盛り込まれている
- ICT活用の推進が求められている
- 重症者や特殊なケースなど、多様なニーズへの対応を評価している
- 運営の適正化と透明性が求められている。
運営の適正化と透明性が求められています。
こちらの記事で内容確認して、適正に運営していきましょう
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